ツイッターのお蔭で、どんな事も実況中継のようにつぶやける。それが良い方向に行けばいいのだが、悪い方向に行くこともある。今たけなわのオリンピックでもそれが起こった。
悪質なツイート
英国の飛び込み代表選手、トーマス・デーリー選手に、17歳の少年がツイッターで暴言を吐いたとして警察が拘束した。トーマス・デーリー選手は、英国の「飛び込み王子」とも呼ばれ、愛らしい童顔に筋肉質の体を誇る、英国内外でアイドル並みの人気がある選手。それだけに注目度が高かった。
7月30日に行われた男子シンクロ高飛び込みで、ピーター・ウォーターフィールド選手と組んで出場したが、惜しくも4位になってしまった。そこで、ここぞとばかりつぶやいたのが17歳の少年。「分かっているだろうけど、お前の親父をがっかりさせたよな」。ところが、デーリー選手の父親は昨年の5月に脳腫瘍で亡くなったばかり。知らなかったとはいえ、その他にも暴言を吐き、ついには警察が動くこととなった。
ツイッター上では、フォロワーが意見を交換し大炎上。保釈された少年も、最終的にはすまなかったと謝っているが、「飛び込み王子」の受けた傷は深かったに違いない。オリンピックの栄光の影で、ちょっとした挫折に鞭打つような発言がある。伝播が早いだけに影響も大きい。文明の利器であるツイッターを、こんな風に間違って使用しないように願いたいものだ。
トーマス・デーリー